写真のRAW撮影のように、動画にも生データーのような記録ができる撮影方式があります。 それが「Log」(ログ)撮影です。 まだまだLog撮影に対応したカメラは少ないものの、一眼レフカメラでもLog撮影ができるモデルが出てきました。 Log撮影とは多彩な色情報をもった動画で、そのままでは眠たい絵と言われる薄い色になっています。 これは後から色を調節するために、明るい色と暗い色をより細かく記録している為であり、カラー調整をする事が前提で撮影する方式です。 なので撮影時に色が薄くても問題はないのです。 撮影後に色を調整するカラーコレクションという作業を経て、現場に忠実な色にしたり、独特の雰囲気を持った色への調整を劣化なく行えるのがLog撮影の醍醐味となっております。 フィルムの世界では、このLog撮影は当たり前の作業になり写真のように現像する段階でさまざまな調整がされてきました。 ビデオは圧縮されたデーターで記録されているため現像作業はないのですが、スタジオで色の調整は行われてきました。 ですが、フィルムほど重要視されてはいなかった。あくまで補正程度のカラー調整で留まっていたと思われます。 近年、小型カメラでもlog記録できるカメラが出てきて、気軽にフィルムやPVをLog撮影できるようになってきてました。
Log撮影をした場合、一から色を調整する事もできますし、あらかじめ色補正情報があるLAT(ラット)と呼ばれるものを当てる事があります。 このLATを使えば細かい作業を経ずとも、簡単に独特の色合いを表現できるようになっています。 大体の色合いをLATで再現しつつ、微調整でオリジナルの色を作り出すなんて工程になっています。 Log撮影は撮影の段階から色が薄いので、絵作りのゴールが見えにくくもあります。 Log撮影をしてあるからと言っても、後からカラー調整してどうにもならない結果になってしまうことさえあります。 色が薄い分、明るさが見えにくく、思ったよりも明るく撮影してしまっていた。逆に暗く撮影してしまっていたと、取り返しのつかない事もにもなるため経験が必要とされています。 これはLATを当てる事により判明できます。 高級なモニターには、このLAT情報がプリセットとして搭載されているモデルがあり、プロの現場ではそれを使用して、大まかな完成の色合いで確認してたり、熟練のスタッフが対応をしていたりします。 一般ではなかなか難しいですので、何度も使って適正な数値を覚えていくしかないのですが。。。 そんな癖のあるLog撮影ですが、ちゃんと使い方を熟知すれば色んな色合いを当てはめる事ができ、映像作品により深みを与える事ができるようになります。 このLogにはs-logやc-log、d-log、v-logなど、logの前にアルファベットがついた呼び名があります。 これはメーカー名がついているのですが、sはソニー。cはキャノン。dはdji。vはパナソニックとなっています。 (Logはメーカーにより色合いが違い、専用のLatを使用しないと適正な色合いから作業を始められません。) 文字通りメーカー名の頭の文字がついています。 パナソニックのvは映画用のカメラのフォーマットであるVariCam(バリカム)の頭文字からきていると思われます。 ちなみにソニーのシネマフォーマットはシネアルタと呼ばれるのですが、logに関しては純粋にメーカー名が採用されているようです。 キャノンに関してですが、一眼ではlog撮影ができません。 c-logはシネマ製作用のビデオカメラに搭載されています。 ですが、一眼でもlog撮影のような色合いで、後から色が調整しやすいような「カラーピクチャー」を利用する事ができます。 それがシネスタイルです。 シネスタイルは海外の方が発案したカラーピクチャーファイルで、カメラに付属するソフトで外部のピクチャースタイルをカメラ側に送れる事を利用して、log風な色合いのカラーピクチャーファイルで撮影ができるという代物です。 といったように、近年の一眼動画ではlog撮影が目立ってきております。 みなさんもlog撮影で一味違った動画作品を作ってみてはいかがでしょうか。