U87AiはNeumannを代表するマイクだと思います。
U87というマイク自体は1967年に発売されたトランジスタを使用したコンデンサーマイクロフォンです。
初期型が無印のU87で、U87i、そして現在のU87Aiとなります。
現行品とはいえU87Aiが登場したのが1986年なので結構な年数が経過しています。
それまでは真空管を使ったコンデンサーマイクを作っていたNeumannですが、時代の流れで扱い易いトランジスタ型へと
変貌していくのですが、温かみと個性がある真空管タイプも現在数種類製造をしています。
U87といえば、なんといってもマイクのフォルム。そしてそれを支えるショックマウントでしょうか。
レコーディングやボイス録音のスタジオでも定番なイメージですよね。
カラーはニッケルとブラックの2種類あります。
一般的にニッケルが多く見られますが、個人所有ならばブラックも有ですよね。
ただブラックはこすり傷が目立つので扱いにも気を使うかもしれませんが、黒はいいですよねぇ。
実際私も購入の際かなり迷ったのですが仕事で使うことも想定して無難なニッケルにしたチキン野郎です。
■エンブレム
ノイマンの第二の顔とでもいいましょうか。
本体下部についているエンブレムです。
87についているエンブレムの色は紫色です。
実はエンブレムの色にも意味があるのです。
紫はトランス入り、赤はトランスレス、黒は真空管、青はデジタルマイクロフォンとなっています。
この中で一番新しい方式のマイクは青エンブレムのデジタルマイクロフォンでしたが、残念ながら数年で販売が終了しました。
ノイズ対策ではかなりの期待がされたデジタルマイクですが、専用のマイクプリが必要だったり購入時にサンプル周波数を決めないといけなかったりといった点が原因なのかと思います。
ちなみに選べる周波数は44.1、48、96kHzの3種類だったようです。
今では192Khzもありますし、それ以上に対応するDAWも出てきてしまったり、周波数で選ぶのも難しい選択となりそうです。
■音質
肝心な音質ですが、太く艶があり集音力も強いです。
ボーカルやナレーションとったボイス収録にも定評があります。
楽器にもいいですし、もう何を録っても万能なマイクです。
なんでも対応できることもあって逆に嫌う方もおられるようですが、世の中の音楽ではこのマイクの音は豊富にあふれているので、
耳鳴れた安定力のあるマイクでこれを選んでおけば間違いはないと思います。
■記念モデル
この現行型のAiさんですが、中身は同じですが見た目が違うタイプも販売されていました。
こちらは40周年を記念したモデルです。
部分的にクロームメッキが施されており、専用のポップガードまで付属しています。
尚、記念モデルはサスペンションがセットとなっており、ケースも専用ケースに入っています。
専用といっても、U87のステレオペアセット用の箱が流用されています。
こちらは50周年記念モデルです。
マイク本体もサスペンションもロジウムコーティンが施されています。
金メッキよりも摩擦に強いなど、耐久性も向上した特別モデルです。
こちらは中国用に製造された記念モデルです。
かなり派手派手で、本体は赤。グリルやサスペンションホルダーは金メッキが施されています。
中国用に製造されたモデルですが、一時期サウンドハウスさんでも取り扱いがありました。
しかも売れ行きが悪いのか通常のU87よりも若干安く。。。
動画で見られるのはファーストテイクの岡崎体育さんのPVです。
衣装のトレーナーも赤ということは、自前の87なのかもしれませんね^^
下部に設置してある腹太鼓用のクジラマイクもヘッドが金色の特別仕様なので、これはかなりの確立で自前っぽいですかねw
このように現行モデルだけでも記念モデルが販売されるくらいレジェンドなマイクなのですが、過去にモデルチェンジしてきたマイクの回路はこの他にも設計段階で複数存在するそうです。
どのモデルを選んだとしても音質の違いはまったくといっていいほど無かったともあります。
これは複数の回路を作ったゲオルグ・ノイマン氏本人の報告だそうです。
ノイマンは回路の違いや年代によって音質が違うと言われており、過去のマイクはプレミアム価格になっています。
もし本当に音が違うのであれば、もしかしたらノイマン氏のどおりの設計や部品選びがされていない可能性もあります。
また、過去のモデルの新品の状態の音質を今となっては誰も比べることができません。
僕が思うに新品状態ならばノイマン氏の報告どおり同じなのかもしれません。
マイクの劣化により音が丸くなる。といった現象がふくよかであるとかの意味合いになっていったのではとも思います。
現に復刻されたU67も新品の音がするなんてレビューもあるくらいですのでノイマン氏の報告が全てを語っているのだと私は思います。
とはいえ、どの回路も違いがないと言うほど、ノイマン氏の設計は芯を貫いていたとこうことになります。
ゆえに、このマイクが現代もレジェンドであり続ける理由なんだと思います。
偉大なるゲオルグ・ノイマンさん!すばらしいマイクを生み出してくれて本当にありがとう御座いました!
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